Santosh Sivan (サントーシュ・シヴァン)

Celebrity / インド映画界の人々の話

santosh sivan

சந்தோஷ் சிவன் / Santosh Sivan (サントーシュ・シヴァン) :撮影監督 / 監督。
主な作品:撮影監督作【ディル・セ 心から】【ダラパティ】【ロージャー】【ザ・デュオ】【インディラ】
監督作【ザ・テロリスト (マッリの種/少女戦士マッリ)】【ナヴァラサ】【アショカ】【タハーン

★光と影を操る、詩的な映像を撮ることで有名な、インド映画界屈指の撮影監督。日本ではマニ・ラトナム監督作に撮影監督として参加した作品が多く紹介されている。また、自身の監督作品は商業映画にこだわらない、更なる自分の世界を展開し、海外でも評価が高まっています。

略歴

Santosh Sivan Online(公式サイト)

ケーララ州のトリヴァンナダプラム(トリヴァンドラム)出身。
父は撮影監督、兄のSanjeev Sivanは監督、弟のSangeeth Sivanも監督という映画一家。
学生時代はホッケーをプレーしていた。練習に際し、空を見上げては雲の動きなどを観察し、今日の天気を察知してはチームに知らせる係を担当していた。
そのするうちに、景色の移り変わりを観察すること、自分の見たものを伝えることへの興味が強まり、映像で表現する道を志すことに。

トリヴァンナタプラムのLoyola School、Mar Ivanios Collegeで学んだ後、プネーのFilm and Television Institute of Indiaを1984年に卒業。

マラヤーラム映画界でキャリアをスタートさせるが、インドの各言語の映画界で活躍。
マニ・ラトナム監督とのコンビが特に有名で、「光と影を自在に操る」シネマトグラファーとして、大きな評価を得ている。
現在はチェンナイにメイン・オフィスをおいて活動。

旅行好き、旅先で目に映ったものを撮影することが好き、とのことで、監督の関心は多岐に及ぶ。
その関心は自身の監督作で特に表現され、映画のテーマが少数民族であったり、古典舞踊であったり、児童ものであったり、トランスジェンダーであったり、テロリストであったり、AIDSであったり、守備範囲のバラエティが他のインド映画人とは一味も二味も違う。

また、自分の見たもの、自分の生きている時代を特に撮りたいと語っているが、アショーカ王といった歴史物にも関心があり、【ディル・セ】を撮影していたころ、シャー・ルク・カーンに映画の構想を雑談で話したところ、シャールク・カーン自らがプロデュースと主演を申し出て映画化が実現したものが【アショカ(Asoka)】である。

【ザ・テロリスト】は、撮影監督の仕事で貯めた資金で自分で制作・監督した低予算映画であったが、海外の映画祭での上映時にジョン・マルコヴィッチが惚れこみ、海外配給を自ら請け負い、広く世界で公開された。
次第に、インド以外からも撮影のオファーが来るようになり、活動の場はワールドワイドになりつつある。

むんむん’HP内関連ページ

▼2006年10~11月来日時日記 (11月3日
▼2007年9月来日時日記 (9月28日) 
▼日本インド映画人シンポジウムにて 1 2 3 4

むんむん’s コメント

たぶんシヴァンさんの関わる作品をスクリーンで観た最初は、2000年夏にロードショーされた【ディル・セ 心から】。
まだ、監督だとかシネマトグラファー(撮影監督)を意識してインド映画を観ていなかった頃です。
ものすごい作品だなあと思ったのは当然として、映像的には化粧をしていないというヒロインのマニーシャー・コイラーラーがなんとも美しく撮れている!というのが印象に残っています。

サントーシュ・シヴァンというお名前を完全に覚えたのは、【マッリの種】をロードショーで見たときです。
メッセージ性のとても強い映画はそんなに得意な方ではないけれど、映像の力強さというか、台詞が少なくても、こんなに背景の写り方如何で、登場人物の心情を表せるものなんだ!ととても衝撃的でした。

その後、サントーシュ・シヴァンさんを本当にすごい!と思ったのは、ビデオでですが【ロージャー】を観たときです。
【ボンベイ】でちっともかっこいいと思えなかった、主役のアラヴィンド・スワーミが、【ロージャー】では鼻血ブーものにカッコいいのです、ステキなんです!
あまりにアラヴィンド・スワーミが美しいので、この撮影した人誰だっけと思ったら、シヴァンさんでした!
陰影を巧みに使ったアラヴィンド・スワーミは、最強でした。。。
そういえば、【ダラパティ】でラジニの弟役を演じたときのアラヴィンド・スワーミもステキだった。おお、これも撮影したのはシヴァンさん!
(【ボンベイ】はマニラトナム監督作品ですが、撮影監督は珍しくシヴァンさんじゃないのでした。あ、でも【ボンベイ】も美しい映像で傑作です。ここでいいたいのは、アラヴィンド・スワーミを撮るならサントーシュ・シヴァン!と私が思っているということです。)

さらにその後、日本の黒澤明監督映画もよく見るようになったんですが、黒澤映画も「陰影」が特徴的です。
黒澤さんに影響を受けているかも~、とさらには親近感まで覚えました。

そんなサントーシュ・シヴァン、2006年&2007年の2年連続で来日しました。
日本酒もお気に召したようで、親日家になりつつあるのでしょう。

懇親会のときは、【マッリの種】と【ロージャー】がすごく好きであることを直に監督に伝えられて、ハッピーでした。そして、やっぱり黒澤映画に影響を受けているというのを本人の口から聞けて、さらにうれしい♪

自分の見たものを映像で伝えたい、というシヴァンさん。
日本で見たものも、今後の作品に何か影響があるかもしれません。
これからの作品、楽しみです。

AIDSに関しての短編【Prarambha】(2007,プラブデーヴァー等出演)も、早く観たいです。
プラブデーヴァー、シヴァン監督の作品でどんな風に映ってるかしら!?

監督作品 (※撮影監督兼任)

Story of Tiblu (1988) 短編
Mohiniyattam (1990) 短編
Halo (1997) (Hindi)
Malli (1998) (Tamil)
The Terrorist (1999) (Tamil) ※タミル語題は【Theeviravaathi】 日本公式サイト
Asoka (2001) (Hindi)
Prithvi (2003)
Navarasa (2005) (Tamil) 日本公式サイト
Anandabhadram (2005) (Malayalam)
Prarambha (2007) (Kannada) 短編
Before The Rains (2007) (English,Malayalam)
Tahaan (2008) (Hindi)
Urumi (2011) (Malayalam)

撮影監督作品 (※兼監督作は上部参照)

■1987年

Oru Maymasappularayil [V.R. Gopinath] c; 151m

■1988年

Kandathum Kettathum [Balachandra Menon]
Kadal Theerathu/On the Seashore [T. Rajeevnath]
David David Mr. David [Viji Thampi]

■1989年

Raakh/Ashes [Aditya Bhattacharya] 153m
New Year [Viji Thampi]
Midhya [I.V. Sasi]
Kaalal Pada [Viji Thampi]
Vyooham/Vyuham [Sangeeth Sivan] (Malayalam)
No: 20 Madras Mail [Joshi] (Malayalam)177m

■1990年

Varthamana Kalam [I.V. Sasi]
Indrajalam [Thampi Kannathanam]
Dr. Pasupathy [Shaji Kailas]
Perunthachan/The Master Carpenter [Ajayan]
Sunday 7.P.M. [Shaji Kailas]
Abhayam/Shelter [Sangeeth Sivan]

■1991年

Thalapathi [Mani Ratnam] (Tamil)
Indira [Nripen Mohla]

■1992年

Daddy [Sangeeth Sivan]
Aham [T. Rajeevnath]
Yodha/Ashokan/Dharam Yodha [Sangeeth Sivan] (Malayalam,Nepali)
Roja [Mani Ratnam] (Tamil)

■1993年

Gandharvam [Sangeeth Sivan] 155m
Rudaali/The Mourner [Kalpana Lazmi]
Gardish [Priyadarshan]
Johny [Sangeeth Sivan]

■1994年

Pavithram [Rajeev Kumar]

■1995年

Nirnnayam [Sangeeth Sivan]
Barsaat [Rajkumar Santoshi]
Indira/Priyanka [Suhasini Mani Ratnam]
Kalaa Paani (Hindi) /Kalapani (Malayalam)/Saza-E-Kala Pani/Sirai Chaalai (Tamil) [Priyadarshan]

■1996年

Iruvar / The Duo [Mani Ratnam] (Tamil)
Darmiyan [Kalpana Lazmi]

■1997年

Aastha/Aastha in the Prison of Spring [Basu Bhattacharya]
Vaanaprastham/Vanaprastham/The Last Dance/Pilgrimage [Shaji Karun]

■1998年

Dil Se… (Hindi) /Prema Tho/Uyire (Tamil)/From the Heart [Mani Ratnam] 163m

■1999年

Phir Bhi Dil Hai Hindustani [Aziz Mirza] (Hindi)
Fiza [Khalid Mohamed] (Hindi,Urdu)

■2000年

Marudha Naayagam [Kamal Haasan] (Tamil)
Pukar/The Call [Rajkumar Santoshi] (Hindi)

■2002年

Tehzeeb [Khalid Mohamed] (Hindi,Urdu) 143m

■2003年

Bride and Prejudice [Gurinder Chadha] (English)
Meenaxi: Tale of 3 Cities [M.F. Hussain; assoc dir: Owais Hussain] (Hindi,Urdu)

■2004年

Aparichithan [Sanjiv Sivan] (Malayalam)
Silsiilay [Khalid Mohamed] (Hindi)

■2005年

The Mistress of Spices [Paul Mayeda Berges] (English)

■2012年

Thuppaki (Tamil)

横顔

2007.9.28 銀座ライオンにて

コメント

タイトルとURLをコピーしました